東洋医学は主に古代中国の哲学思想に根ざしています。
それは天地間の自然現象も人間の生理現象も同じ原理によって支配されるという天地合一の思想、さらに万物すべては気、によって構成されるという気の思想、
また陰陽論、五行説などにより構築、運用されています。
人体を小宇宙とみなし、患者さんの全人格環境を重視し、
さらに、未病をも治すことを重視している。
これが東洋医学の大きな特徴であり、
治療にもこの考え方が強く表れています。
笠原の鍼
正気を補い 邪気を払う 鍼気の力
気、私はこのことをとても意識しています。
私たちの生活の中にも気、という文字を使った言葉が多くあります。
元気、病気、気持ち、気を使う、気が疲れる、気が安まる、やる気、気合、
気が楽、気を引き締める、気が晴れる、気が進む、気を抜く、気を落す、
気を許す、その気になる、気が遠くなる、気が狂う、気分、天気、気象
などなど、上げればきりが無いほどたくさんあります。
東洋医学では、気血、という言葉をよく使いこれを重視しています。
気とは目に見えないものですが、エネルギーとでも申しましょうか、
どなたの体にも流れているものです。
気が不足すると、血の流れが悪くなります。
気がたくさん満ち溢れていれば、元気いっぱいで健康そのものです。
気が不足すると、元気が無くなり、邪気が多くなって、
疲れる、体が重い、眠れない、気分が悪い、痛い、つらい、
などの症状が現れます。
気が充満していれば邪気が入る余地が有りません。
気の不足を補って、弱い所を補って気を高めて、
正気を補って、邪気を払って病気を追い出してすっきりしたいものです。
邪気は、老廃物であったり、健康を阻害するいろいろな悪いものですが、
こんなものは体の外へ追い出してしまいましょう。
風邪をひくの風邪は、風の邪気が入ったものであります。
正気を補い邪気を払う、鍼はこれが出来るのです。
邪気が体の外に出る時
私の鍼治療には不思議なことがあります。
治療の途中に患者さんの体臭がしてきます。
人によってさまざま違いますが、ほのかなのから強烈なのまで、
又病気によっても違います。
「きたーっ、」と思うと同時に患者さんが「楽になったーっ、抜けたーっ、」
と喜びの歓声を上げます。
臭いと同時に今邪気が出て患者さんが楽になったのだ、よかったー、と思います。
患者さん自身は臭いません 私だけが感じます。
「臭いがした」なんて申しませんが良くなった確かな手ごたえを感じます。
具合が悪い、から楽になった、に変化するには、体の中で何かが起こっているはずです。
中を見ることはできませんが私のイメージではとどこおっている良くないものが分解されて、血液で流されて代謝して発散して楽になるのだと思います。
その時の発散が臭いで感じるのだと思います。
病気の元になっている悪いものが体の外に出る瞬間だと思います。
臭いが出る、という事は、患者さんにとってとても良い事です。
病気が、邪気が、体の外へ出て行くのですから、
目に見えませんが、私のイメージでは、ちょうど、煙が漂う様に
通り過ぎる感じがします。
私が鍼をやっていて一番喜びを感じる瞬間です。
鍼師として患者さんが症状がとれて笑顔で喜びの歓声をあげる事ほど
嬉しいことはありません。
私は犬のように臭いで病気を嗅ぎわけながらいろいろな思いをめぐらしています。
鍼気満山
私は自分の、気、を高めるために、普段やっていることがあります。
時々大自然の豊富な所へ行ってイメージをして、静かに呼吸をしながら
全身毛穴から邪気を出しています。 そして大宇宙からエネルギーを取り入れています。
すると体が温かくなって気持ちが良くなります。
これは自分のためにしていることですが、鍼治療にも生かしています。
大宇宙から取り入れたエネルギーを、鍼気満山にして、集中して、
鍼を通してエネルギーをそそぎながら治療しています。
患者さんの中には「先生の鍼は気合が入っていていいーっ!」とか、
「手が気持ちが良くて触ってもらっているだけでよくなる気がする。」とか、
「体の中から悪いものがすーっと流れて出て行ったー、」とか、
「なにこれ!気持ちいい、下の方を触っているのに上の方まで温かくなって気持ちいい、どうして?」とか、
「抜けたーっ、」等と、言われます。
患者さん自身も何かを感じるのでしょう。
鍼気をもって、一鍼入魂の気持ちで最高の鍼治療をさせて頂こうと思います。
鍼治療の人生の中で
私は高齢になりました。
年齢と共に老化して下降していくのに反比例して
鍼の技術は向上し続けています。
日々患者さんから学び、患者さんのおかげで進化、向上、しています。
鍼に対する情熱と気力は衰えるどころか増すばかりです。
今が、私の鍼治療の人生の中で一番充実している時です。
利用するのは今でしょ!
残る人生を多くの方々にお喜こびいただけますように
精一杯お役に立たせていただきたいと思います。
笠原。
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